潜在意識での思い込みの恐ろしさ

先日、数秘術の本を読む機会があった。

数秘術じたいは、別に真新しい情報ではないのだが、

悩んでいたので、つい手にとってしまったのだ。

 

まず生年月日から自分の誕生数を計算し、

誕生数によって様々なパターンに分けられ、

それぞれのパターンに対して、自分の解決すべき課題や、

進むべき方向性などを示唆してくれる内容だった。

 

それによると、自分には

「プロセスを省いて結果を早く求めすぎる」

という傾向があるため、それが原因で失敗しやすい。

それを避けるために「しっかりとした基礎を築いてから、

一歩一歩着実に、目標に向かって歩んでいく術を知らねばならない。」

そして「もしそれを無視し続ければ、いずれ大きな代償を支払うことになる。」

といったことが書かれていた。

 

はっきり言って、

それは今の自分に、非常に当てはまることだと感じた。

実際、まだしっかりした生活基盤がない状況で、

1日でも早く夢を実現しようと、もがいている最中だったからだ。

 

しかし、その一方で、

「そう言われても、具体的にどうしたら良いのかわからない、

考えた先には絶望しかない…。」

そんな八方塞がりな状態の自分がいた。

 

その時の自分の、思考プロセスは次のようなものだった…。

 

①「基礎をしっかりと築く」とはどういうことか?

②生活基盤、つまり金銭的な安定を得るということではないか?

③やっぱり多くの人が言うように、時間をかけて(※やりたくない仕事によって)きちんと生活基盤を築いてから、夢に向かっていかないとダメだったのだ。

④それが出来ない自分はダメだ。

⑤こんなダメな自分には、どうせ夢を叶えることは出来ない。夢はあきらめて手っ取り早く収入を得る方法を探さなくては。

⑥でもそんな人生は嫌だ。いっそのこと死んでしまいたい。

以下略

 

…といった流れだった。

このままでは、自分に残された選択肢は、

「夢をあきらめて、自分のしたくない事をする」か、

「夢を追いかけて、結果的に破滅する」か、

のどちらかしかなく、

どのみち絶望でしかなかった。

 

そんな時、

たまたま聞いていた動画の中で、

「変なプライドを捨てて、目的を達成するための最善の方法を取る」

という話を耳にした。

…例えば、渋谷の交差点を、誰にもぶつからずに渡りたければ、

「人が自分に向かってまっすぐ歩いてきたら、自分が避ければいい」と。

そこで「自分が避けるのは、負けるみたいで癪だ」とか、

変なプライドがあったりすると、

最善の行動が取れず、目的が達成できない。…

 

そんな話を聞いているうちに、

自分が、今まさに、潜在意識の中にある、変なプライドのせいで、

最善の行動が取れない状況にあるのではないか、

と思った。

 

つまり、

もっと冷静に客観的に考えれば、

他にも選択肢がたくさんあるにも関わらず、

非常に視野が狭くなっているために、

選択肢が1つしかないと思いこんでいるのではないか?

ということだ。

 

先ほどの思考プロセスを考え直してみると、

………

①「基礎をしっかりと築く」とはどういうことか?

②生活基盤、つまり金銭的な安定を得るということではないか?

③やっぱり多くの人が言うように、時間をかけて(※やりたくない仕事によって)きちんと生活基盤を築いてから、夢に向かっていかないとダメだったのだ。

………

まず、

②については「しっかりした基礎」のための要素は「お金」だけではない。

例えば、

「人間関係・人脈」

「信頼される行動」

「コミュニケーション力」

マーケティング・セールスなどのスキル」

「メンタルの強さ・精神的安定」

「円満な夫婦関係・親子関係」

「実行力」

「決断力」

…など、色々と考えられるにも関わらず、

「お金だ。」と自分で勝手に思い込む。

 

また、③の「金銭的な基盤を築く」にしたって、

「時間をかけて(※やりたくない仕事によって)基盤を築く」

という方法以外にも、

「バイトをしながら夢に向かう」

「やりたいことでお金を得るための、別のアイデアを考える」

など、他にも方法はあるのに、

「まずやりたくない仕事を長期間やるしかない」

と、勝手に思い込んで、

勝手に絶望していたのだ。

 

それに気づいたとき、

自分が「視野が狭い」ということを、

とてもリアルに実感出来たのだった。

 

…では、そこで僕が「視野が狭いのはダメだ!視野を広げよう!」

と思って努力すれば、問題は解決するだろうか?

 

たぶんそれでは、根本的な解決にはならないと思う。

 

なぜならその「視野の狭さ」は、

「本気になって色々な選択肢を考える(現実と向き合う)結果、

何も見つからなかったらどうしよう?」

みたいな、潜在意識下での恐怖が生み出したものであって、

しかもその恐怖は、短期的にではあるが、

自分の心を傷つけるような危険から、自身を遠ざけようと、

必死に頑張ってくれているに過ぎないからだ。

 

だから、恐怖を受け入れて、

その働きに感謝しないと、

いつまでも同じことを繰り返すだけだ。

 

結局のところ、

「これしかないんだ」みたいな変な思い込みや、恐怖は、

ただ、消せばいいというものではなくて、

これからもずっと、一緒に生きて行かねばならないものだ。

だから、それをまず観察し、受け入れて、

冷静に、客観的に「夢を叶えるための」最善の方法を見つけ出す。

そして、坦々と、確実に、実行する。

 

地味ではあるが、

それが、本当の意味での、

自分の人生にクリエイティブである、という事かもしれない。

 

ひたすら「我慢・努力だ!」とか、

ひたすら「直感に身をゆだねろ!」とか、

そういった極端な意見に、僕らはとらわれがちだけれど。

 

ありのままの現実と向き合うんだ。

そして、幸せに貪欲であれ。